東日本大震災・原発事故

「復興」ウイスキーが完成 2013年に仕込み 福島民報社主催の「ふくしま未来樽プロジェクト」

2023/12/16 09:20

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林支社長(中央)と藤井工場長(右)から完成したウイスキーを受け取る芳見社長
林支社長(中央)と藤井工場長(右)から完成したウイスキーを受け取る芳見社長

 福島民報社が、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興を願って2013(平成25)年から取り組んできた「ふくしま未来樽プロジェクト」のウイスキー360本(720ミリリットル入り)が完成した。15日、サントリーの大阪府にある山崎蒸溜所で引き渡しのセレモニーが行われた。

 プロジェクトは福島民報社の主催、サントリーホールディングスの特別協賛。ウイスキーは同蒸溜所で2013年に仕込みと樽詰めを行った。併せて県民から復興への思いや10年後の夢などのメッセージを募った。ウイスキーが樽の中で熟成して味わいを深めるように、寄せられた思いや夢が時を経て深まり成就するよう願いを込めた。約1600点の応募の中から、入選者にオリジナルのウイスキー1人1本を、10年前に自身が寄せたメッセージを添えて贈る。

 セレモニーには福島民報社の芳見弘一社長が臨み、サントリー南東北支社の林真司支社長と山崎蒸溜所の藤井敬久工場長からウイスキーを受け取った。芳見社長は「復興への思いが詰まったウイスキーが完成したことは感無量。心から感謝している」と謝辞を述べた。林支社長は「復興支援など今後も県民に愛される企業として寄り添い続けていきたい」、藤井工場長は「メッセージに込めた思いや夢を思い起こしながら味わってほしい」と話した。

 引き渡しを受けたウイスキーは福島民報社から入選者に順次、発送する。一般販売はしない。