
第103回全国高校ラグビー大会第2日(28日、大阪・花園ラグビー場)、福島県代表の学法福島は名護(沖縄)に14―46で敗れ、花園初勝利を逃したが、伝統のドライビングモールからトライを奪うなど積み重ねてきた成果は発揮した。前後半に1トライずつ挙げたウイング渡辺大和(3年)は「来年は勝つ姿を見たい」と後輩に後を託した。
ドライビングモールを仕掛けたのは前半32分。敵陣の左中間ゴール前10メートルから「一つの塊」となりゴールラインを目指した。最後尾で仲間を押しながらも渡辺大の頭は冷静だった。「右に隙間がある」。密集からボールを持ち出すと、相手守備をかいくぐってインゴールに飛び込んだ。
立ち上がりから名護の走力に翻弄(ほんろう)された。モールに持ち込む前にパスを散らされ、持ち味を出せないまま連続4トライを献上。点差が広がる中でも自分たちの武器を捨てず、タックルで相手を止めてはモールを挑んだ。
渡辺大は後半に入ると相手に疲れを感じた。9分に浮いたパスを空中で奪うとインゴールへ猛ダッシュ。タックルもはねのけ、お株を奪うランで2トライ目を決めた。
持ち味を出しての敗戦は、花園ならではの体験だ。渡辺大は「ドライビングモールと自陣に敵を入れないエリア管理を磨いてほしい」と教訓を口にした。