大相撲初場所6日目は19日、両国国技館で行われ、幕内優勝経験者で西幕下筆頭の若隆景(29)=福島市出身、荒汐部屋=が4連勝で勝ち越しを決め、3場所ぶりの再十両を決定的にした。若隆景が関取復帰となれば、来場所は東前頭筆頭で兄の若元春(30)=福島市出身、荒汐部屋=、十両白熊(24)=福島県須賀川市出身、二所ノ関部屋=との県勢初3人同時関取となる。
この日は十両との対戦のため、若隆景は右膝に大けがを負った昨年春場所13日目以来、約10カ月ぶりの大銀杏(おおいちょう)姿で土俵入りした。突っ張る千代栄を相手に下から前に出て一気に力強く押し出した。「気が引き締まる思い。勝ち越せたのは良かった」と一息ついた。
場所前の横綱審議委員会による稽古総見では、同じく膝の負傷に苦しんだ横綱照ノ富士に励ましの声をかけられたという。元関脇は「いろいろとアドバイスをいただいた。自分の相撲を取れるように頑張っていく」と感謝を口にした。
若隆景ら大波3兄弟の父政志さん(56)は「勝ち越しはうれしい。ただ、まだ3番あるので最後まで気を抜かず取り組んでもらいたい」とエールを送った。「普段通りの力強い相撲で幕内復帰も狙ってほしい」と期待した。