
選抜高校野球大会(センバツ)に出場する学法石川は、秋季東北地区高校野球大会での4強入りが認められ、夢舞台の切符を得た。選考でも評価された投手陣を中心とした堅守と好機を確実に生かす打撃で甲子園での活躍を誓っている。
「苦戦を通してチームがまとまっていった」。佐々木順一朗監督(64)は昨秋のチーム状態を謙遜気味に振り返る。
最初の分岐点に挙げたのは秋季県大会の準決勝だ。「3位決定戦で勝てば東北大会に進める」。東北の戦いを見据え、強打の聖光学院との一戦を、投手陣を見極める機会と捉えて7投手を投入。先発の主戦大友瑠(2年)は打たれたものの、1年の大栄利哉や佐藤翼が力投した。大栄は東日大昌平との3位決定戦で7回1失点に抑え、投手起用のめどが立った。
東北大会の成績では、登板した4人のうち、大栄は力ある速球を軸に3試合で20回を投げ、15三振2失点と結果を残した。佐藤翼も3試合12回⅔を3失点。準決勝は八戸学院光星を8回1失点に抑えた。
一方、各県の好投手が集うだけに、準決勝までの4試合のチーム打率は2割4分0厘と県大会の3割6分4厘から低下。3割打者も大栄ら2人に減った。打力を補うため「1点をもぎ取る」野球に徹した。4試合で犠打や犠飛を12記録し、1試合多い県大会を上回った。13得点を奪い、8失点に抑えて接戦をものにした。佐々木監督は「点が取れなくても我慢強く粘るようになった」と成長に目を細める。
東北大会は精神力も問われた。雨などの荒天に悩まされ、開始の遅れや中断が相次いだ。寒さも重なり、集中力が途切れかねない状況の中、選手は声をかけ合い乗り切ったことも収穫だ。冬場は体づくりや投打に必要な筋力アップに努める。主将の小宅善叶(17)=2年=は「一球一球に集中し、粘り強い戦いを見せたい」と意気込む。