パリ五輪 バドミントン 富岡高出身5選手帰国

2024/08/10 00:59

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帰国会見で花束を手に写真撮影に応じる富岡高出身の(前列右から)大堀、東野、渡辺。(後列左から)保木、小林
帰国会見で花束を手に写真撮影に応じる富岡高出身の(前列右から)大堀、東野、渡辺。(後列左から)保木、小林

 パリ五輪バドミントンに出場した福島県富岡高出身の5選手ら日本代表は9日、東京・羽田空港で帰国会見に臨んだ。5人は富岡町と猪苗代町で中高の6年間を過ごし、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故による避難を乗り越えて競技者としての礎を築いた。世界の強豪と戦った感想や、熱の入った応援をした福島県民への感謝の思いを語った。


■2人で成長した3年間 混合複「銅」の渡辺・東野組

 銅メダルに輝いた混合ダブルスの渡辺勇大(27)・東野有紗(28)組=BIPROGY=は日本勢初となる2大会連続のメダル獲得の快挙を達成した。渡辺は「皆さんの応援が僕たちの背中を押し、銅メダルを取らせてくれた」、東野は「2人で本当に成長できた3年間だった。悔いはない」と感謝や達成感をにじませた。

 東野は大会直前に足や手を痛めて満足に練習できていなかったが、現地入り後も必死の治療を続け試合に間に合わせた。抜群のコンビネーションを武器に勝利を重ね、3位決定戦では世界ランキング2位の韓国ペアに2―0で勝ち切りメダルを持ち帰った。

 2人が出会い、「ワタガシ」を結成した福島はかけがえのない場所だ。渡辺は「人間として大きく成長できた6年間だった。これからもバドミントンを通じた恩返しをしていく」、東野は「五輪前に富岡町と猪苗代町で壮行会を開いてもらい、元気づけられた。福島に行って皆さんにメダルを見せたい」と第2の故郷へ思いを寄せた。


■これまでの集大成 女子単 大堀(福島県会津若松市出身)

 女子シングルスの大堀彩(27)=トナミ運輸、会津若松市出身=はメダルに届かなかったが、「これまでの集大成として恥ずかしくないプレーはできた。震災や五輪代表の選考レースなど多くの苦難があったが、どんな困難でも打ち勝てる自信がついた」と胸を張った。

 同級生の東野有紗とは選手村で同室。東野が銅メダルを獲得して部屋に戻ってきた時に首にかけてくれ、翌日の準々決勝の試合に向けて気合が入ったという。「自分にとって4人は本当に大きな存在。尊敬できる仲間と五輪に立てて良かった」と振り返った。


■戦う姿見せられた 男子複 保木・小林組

 男子ダブルスの保木卓朗(28)・小林優吾(29)組=トナミ運輸=は1次リーグ敗退となり、保木は「自分たちが望む結果を残せなかったが、五輪という舞台を楽しめた」と前を向いた。

 2021(令和3)年の世界選手権を日本勢で初めて制すなど頭角を表してきたが、五輪のレベルの高さを痛感した。トップクラスのペアが取る大胆な攻めへの対応が課題と感じている。「県民に五輪で戦う姿を見せられて良かった。福島県の後輩たちが頑張って世界を目指しているので、今後も応援を続けてほしい」と願った。