
聖光学院の5番志田隆之助は好調の相手投手から意地の2安打を放ったが、チームの勝利につながらなかった。「もっとこの仲間と野球がやりたかった」と悔しさをにじませた。
169センチと小柄ながら、福島大会では6割1分1厘とチーム一の打率を誇った。この試合、それまで4安打無得点に抑えられていた七回の先頭打者で打席に立った。「流れを変えたい」。真ん中高めの変化球を振り抜き、左前に運んだ。得点にならなかったが、終盤の追い上げへチームの士気を高めた。
聖光学院野球部だった2歳上の兄大和さんの後を追うように入部した。試合前日には電話で「暴れてこい」とエールをもらい、力が湧いた。地元の川俣町からも十数名が応援に駆け付けた。「ここまで来られたのは周りの声援のおかげ。この恩を少しでも返せるよう、新チームにはできる限り力を貸したい」と誓った。