福島民報社はパリ・パラリンピックでメダルを獲得し、福島県民に勇気と感動を届けた県勢3選手を表彰する。車いすラグビーで初の金メダルに輝いた橋本勝也選手(22)=日興アセットマネジメント、三春町=に福島民報スポーツ大賞特別賞、柔道女子48キロ級(全盲)銀メダルの半谷静香選手(36)=トヨタループス、いわき市出身=と、ボッチャ個人(脳性まひBC1)、団体(脳性まひBC1/BC2)で二つの銅メダルを得た遠藤裕美選手(38)=県ボッチャ協会、福島市=に福島民報スポーツ大賞を贈る。後日、贈呈式を行う。
橋本選手は前回東京大会で銅メダルを獲得した2021(令和3)年に大賞を受けており、今回は特別賞とした。両手足に先天性の障害があり、三春中2年時に東北地方を拠点とするクラブチーム「東北ストーマーズ」に加入して競技を開始。田村高1年時の2018(平成30)年に16歳で初めて日本代表に選ばれ、パラリンピックは東京、パリの両大会で最年少の代表になった。パリ大会はエースとして活躍し、5試合でチーム最多の計79得点を挙げた。
半谷選手は網膜色素変性症で生まれつきの弱視。平一中1年で柔道を始め、東日大昌平高で健常者と競った。筑波技術大(茨城県)進学後に視覚障害者柔道に転向。ロンドン大会で7位、リオデジャネイロ大会と東京大会で5位に入った。パリ大会は1回戦と準決勝に勝利。決勝は敗れたが4度目のパラ挑戦で初のメダルに輝いた。
遠藤選手は脳性まひのため、幼少期から車いすで過ごしてきた。郡山養護学校(現・郡山支援学校)高等部時代にボッチャと出会い、24歳の時に本格的に競技に取り組むようになった。東京大会後から頭角を現し、2023年から日本選手権を2連覇した。初のパラリンピックで精度の高いショットを見せ、個人戦で銅メダルを獲得。団体戦は杉村英孝選手(42)=TOKIOインカラミ=、広瀬隆喜選手(40)=西尾レントオール=とともに3大会連続メダルとなる銅メダルを手にした。
■国内外で活躍の選手や団体、指導者ら対象
福島民報スポーツ大賞は国内外の主要な大会で活躍し、県民に感動と誇りを与えた選手・団体、指導者らを対象としている。受賞者は次の通り。
▽アテネ五輪自転車トラック男子チームスプリント銀メダル・伏見俊昭選手=白河市出身=▽飛行機世界最高峰レース「レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ」2017シーズン年間総合優勝・室屋義秀選手=福島市=▽バドミントン世界選手権男子シングルス優勝・桃田賢斗選手=富岡高出身=▽ラグビー元日本代表、W杯3大会連続出場・大野均さん=郡山市出身=▽東京五輪バドミントン混合ダブルス銅メダル・渡辺勇大選手、東野有紗選手=富岡高出身=▽東京パラリンピック車いすバスケットボール銀メダル・豊島英(あきら)さん=いわき市出身=▽東京パラリンピック車いすラグビー銅メダル・橋本勝也選手=三春町=▽2022(令和4)年大相撲春場所で初優勝・若隆景関(本名・大波渥さん)=荒汐部屋、福島市出身=▽サッカー日本代表専属シェフ・西芳照さん=広野町=※特別賞