
衆院解散を受け、県内選挙区に立候補を予定している前職や新人は復興の前進や政治改革などを訴え、選挙戦を戦い抜く考えを示した。
1区は前回と同じ顔ぶれの与野党一騎打ちとなる。自民の前職亀岡偉民氏(69)は「派閥からの還付金の問題で多くの有権者に誤解を与えてしまった。信頼を回復するための選挙にしなければならない。真の復興を成すために理解を得たい」と決意した。立民の前職金子恵美氏(59)は「課題が山積する中、予算委員会も開かれないままの解散は納得できない。国民無視の政権と言わざるを得ない。政治を国民に取り戻す選挙となる」と強調した。
2区はベテランの前職に新人3人が挑む。自民の新人根本拓氏(38)は郡山市内の企業などで支持を訴えた。「残り時間は少ない。挑戦者なので、福島から日本の未来を切り開くんだという自分の強い思いを訴えたい」と表情を引き締めた。立民の前職玄葉光一郎氏(60)は「選挙区割りが大きく変わるため挑戦者のつもりで戦う。政治改革が最大の争点で、政治にはびこる裏金文化を選挙で一掃したい」と言葉に力を込めた。共産の新人丸本由美子氏(62)は須賀川市で決起集会を開き、比例での躍進と2区での議席獲得を訴えた。「消費税減税やジェンダー平等などを施策に掲げ、国民とともに政治を変える」と語気を強めた。諸派の新人高橋翔氏(36)は解散の様子を放映するライブ配信を見つめて決意を新たにし、「今年は世代交代の年。国政に新しい風を吹かせられるよう、有権者に訴える」と決意を示した。
3区は前職2人と新人1人による三つどもえの戦いとなる。立民の前職小熊慎司氏(56)は「物価高騰対策や景気対策などあらゆる政策を推進するために政治の信頼を回復する政治改革が必要だ。自民党の暴走を許さぬよう党勢拡大に努める」と決意した。共産の新人唐橋則男氏(63)は会津若松市の事務所でアンケートの記入などに当たり「解散から最短の選挙になる。裏金問題の真相究明に向け、多くの人に広く訴えていきたい」と気持ちを込めた。無所属の前職菅家一郎氏(69)は会津若松市の後援会事務所で「多くの有権者の方々に真摯(しんし)に向き合う。もう一度原点に返り、一から新たな気持ちでスタートしたい」と前を向いた。
4区はいずれも新人で40代の3人が激突。自民の新人坂本竜太郎氏(44)はいわき市で開かれた4区の選挙対策会議に出席。「解散のタイミングで集まってもらいありがたい。難しい情勢だが、浜通りの復興に向け最後まで戦い抜く」と意気込んだ。立民の新人斎藤裕喜氏(45)はいわき市の事務所で選挙カー手配などの準備を進め、「浜通りの医療、福祉の充実に向け、国や県、市町村が一体で取り組む重要性を訴えていく」と語った。共産の新人熊谷智氏(44)は相馬市などで街頭演説し、「自民党の裏金問題への対応や防衛費増額による国民生活への影響が問われるべき選挙。賃上げと一体の労働時間短縮や原発ゼロなどを訴える」と語った。