衆院選2024

菅家氏出馬断念 福島3区裏金事件で「けじめ」 上杉氏立候補へ

2024/10/13 07:22

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 15日公示、27日投開票の衆院選で、自民党派閥裏金事件に関係し、党非公認となった前職菅家一郎氏(69)=比例東北、当選4回=は12日、会津若松市で記者会見し、衆院選の福島県3区からの立候補を断念すると表明した。党県連は後任候補の擁立を目指している。関係者によると、前職上杉謙太郎氏(49)=比例東北、当選2回=が立候補に向けて調整しているもようだ。


 菅家氏は「裏金議員とのレッテルを貼られ、不信を招いた。多くの有権者や支援者から厳しい判断がされている。自民党の信頼を損ねた一人として責任を持ち、けじめをつけなくてはいけないとの思いで熟慮した」と不出馬を決断した理由を語った。

 菅家氏は政治資金収支報告書に1289万円の不記載があったとして党役職停止6カ月の処分を受けた。9日に党非公認が決定し、無所属で福島県3区から立候補する意思を示していたが、撤回する形となった。今後の政治活動については「現時点で他の選挙に立候補する考えはない」と述べた。

 上杉氏は12日、矢祭町で福島民報社の取材に「今日は話せることはない」とした上で、地元から推す声があることについては「大変ありがたいこと」と話した。自民党の公認申請の期限は過ぎており、上杉氏が擁立されれば、無所属で立候補するとみられる。

 菅家氏は会津若松市出身。会津高、早稲田大社会科学部卒。会津若松市議、県議、会津若松市長を経て2012(平成24)年の衆院選で初当選し、当選4回。復興副大臣、環境兼内閣府政務官などを歴任した。

 上杉氏は神奈川県茅ケ崎市出身、白河市在住。早稲田大社会科学部卒。2017年10月の衆院選に立候補し初当選した。2021(令和3)年10月から外務政務官を務めた。政治資金収支報告書に計309万円の不記載があり、幹事長注意を受けた。今回の衆院選で比例代表の東北ブロックでの単独立候補を予定していた。しかし「不記載の議員として、けじめをつける」と立候補を辞退していた。