衆院選2024

福島県内4小選挙区立候補者アンケート 除染土壌の県外最終処分 政府対応の不十分さ指摘

2024/10/20 09:33

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 福島民報社は衆院選の県内4小選挙区に立候補した11人にアンケートを実施した。東京電力福島第1原発事故に伴い発生した除染土壌の県外最終処分に向けた政府の対応への評価を点数(100点満点)で聞いたところ、最高点は65点だった。2045年3月までの法的期限までの完了に向けて政府が各種取り組みを進めているが、各候補者は国民の理解醸成や情報発信、再生利用などで何らかの不十分さを感じている。


 合格ラインを「70点」と設定して質問した。アンケートの結果は【表】の通り。

 最高点の65点をつけた候補のうち、3区の無所属上杉謙太郎候補は「公共事業での再利用、関係者の理解を深める取り組み、長期間安全に管理できる方法のさらなる検討」、4区の自民坂本竜太郎候補は「必要性、確固たる信念の責任に基づいた国全体での理解促進のためさらなる工夫と粘り強い努力」が必要とした。50点とした1区の自民亀岡偉民候補は「正しい情報の開示・伝達方法を向上させ、国民が安全を感じる説明を続けるべきだ」と強調した。

 合格ラインの半分以下の30点としたのは2候補だった。2区の立民玄葉光一郎候補は「再生利用への取り組みが極めて不十分。『もう20年しかない』との危機感を持って政府は対応すべきだ」、3区の立民小熊慎司候補は「完了が法で定められているのに全国的な理解も深まったとは言えず、候補地選定も進んでいない」との姿勢を示した。20点をつけた1区の立民金子恵美候補は「国民全体の理解を得ながら取り組まなければならないが、全国的な理解醸成が不十分」と指摘した。

 0点としたのはいずれも共産の3候補。2区の丸本由美子候補、3区の唐橋則男候補、4区の熊谷智候補はともに「再利用を推進するとしているが、県民、国民の放射性廃棄物への不安は大きく理解が得られていない」と共通して批判するとともに、最終処分の在り方についての意向調査や地域懇談会などの必要性に言及した。

 採点なしは2候補。2区の自民根本拓候補は「法的期限がまだ先の現時点で点数付けは困難。県外最終処分に向けて検討を進める」、4区の立民斎藤裕喜候補は「最終処分はさまざまな議論があるが、全国の原発立地地域があるため、県外、県内処分、長期的に議論が必要」とした。


■「産業振興」が最多 復興・創生期間後 重点的に進めるべき政策 

 アンケートでは、来年度で終了する震災、原発事故の第2期復興・創生期間後に特に重点的に進めるべき政策を三つまで選んでもらった。

 商工業や農林水産業などへの影響が続く中、「産業振興」が7人で最も多かった。「観光誘客」、「風評・風化対策」、「医療・福祉の充実」もそれぞれ5人が重要とした。「教育環境の充実」、「生活環境の再生」は3人だった。

 その他を選んだ候補は「全てが重点政策」とした。