

▽決勝 郡山市6-2福島市(6回時間切れ)
効果的に得点した郡山市が福島市を下した。郡山市は一回、塩沼の2点本塁打で先制した。四回と五回に2点ずつを加えて突き放した。福島市は四回に佐藤陽の適時三塁打、五回に大野の適時二塁打で追い上げたが、及ばなかった。
郡山市の主砲塩沼泰成は一回、先制の2点本塁打を放った。打った瞬間に柵越えを確信すると、右手を高く掲げて悠々とダイヤモンドを一周した。「ようやく4番の仕事を果たせた」とほっとした表情を浮かべた。
1番重川葵の三塁打で開始早々、絶好の得点機を迎えた。2番、3番が倒れて2死三塁に。重圧が増す中で、打席に立つと「来た球を打ち返すだけだ」と心を落ち着かせた。真ん中に来たチェンジアップを捉えると、ボールは逆風を切り裂いて右中間の柵を越えた。
準々決勝までは思うような打撃をできず、好機で打ち損じが続いた。力みから引っかけたり、ポップフライになったりする打球が多かった。球を引きつけ、センター返しを狙う意識を持ち、この日の試合に臨んだ。先制の場面は2ストライクと追い込まれたが、来た球に素直にバットを出してジャストミートした。
優勝を引き寄せる一発を放ってもなお、その後の2打席の凡退を反省している。「冬場も練習を続け、ミート力に磨きをかけたい」とさらなる向上心を見せた。
■福島市の佐藤陽 三塁打で鼓舞 「好調持続し、次こそは」
福島市の佐藤陽太は四回、1死二塁から右翼手の頭を越す適時三塁打を放ち、反撃ムードを盛り上げた。「絶対に打ちたかった。得点できてうれしかった」と会心の一打を振り返った。
第7回以来の優勝を懸けて決勝に臨んだが、序盤に得点を許した。2点を追って迎えた四回、好機で打席が回ってきた。「いつも通りのスイングで走者をかえす」。外角の直球を冷静に捉えた打球は1点差に詰め寄る長打となった。ベンチからの歓声に両手でガッツポーズをつくり、逆転を目指す仲間を鼓舞した。
今大会は投手も兼任。準決勝では先発すると直球に変化球を織り交ぜ、打たせて取る投球を見せた。準優勝に悔しさをにじませながらも、「投打とも調子は良かった。好調を持続して来年こそ優勝する」と誓った。
★関根進球審(福島市―郡山市)投手力、打力ともに実力は紙一重だった。郡山が一回に先制に成功したことが勝敗を分けた。