

衆院選は27日の投開票まで3日となり最終盤に入った。福島県内4小選挙区の11陣営に福島民報社が取材したところ、投票率は前回と同程度か低くなると予想する陣営が多い。区割りの改定で選挙区が広くなったことや政治不信が影響していると各陣営は見ており、選挙へ関心を高めて票を掘り起こす必要があるとして区割り改定で従来の地盤に新たに加わった地域での遊説強化や交流サイト(SNS)を活用した浮動票の取り込みなどに努めている。
各陣営の予想投票率と得票目標は【表】の通り。予想投票率は60%台が5人、50%台が4人、40%台が2人だった。前回衆院選の県内小選挙区全体の投票率は58・01%。区割り改定で県内小選挙区は今回から一つ減の四つになったため前回とは単純に比較できないが、各陣営は投票率が低下傾向にある各種選挙の状況や選挙運動を通しての有権者の反応などを踏まえて見込みを示した。県選管委によると今回衆院選の期日前投票者数は20日現在、10万6243人で前回同期比1・3%増となっている。
与野党一騎打ちの1区はSNSを駆使した組織戦が激化している。自民の前職亀岡偉民候補(69)の陣営は「政治とカネ」の問題で逆風が吹くが、選挙への関心は前回並みとみる。立民の前職金子恵美候補(59)の陣営は「政治とカネ」の問題で政治に対する有権者の怒りが投票率の向上につながるとした。
2区は各陣営が大票田・郡山市での得票が勝敗を分けるとして支持拡大を目指している。共産の新人丸本由美子候補(62)の陣営は現政権に終止符を打つ期待を受ける一方、反応を踏まえて前回を割ると捉える。立民の前職玄葉光一郎候補(60)の陣営は政治不信が広がっているが区割り改定で選挙戦が活発化しているため前回と同程度と分析。自民の新人根本拓候補(38)の陣営は後援会や推薦企業・団体などへの投票呼びかけを強めており、前回より上昇するとにらむ。
県内選挙区で面積が最も広い3区は会津と県南の地域バランスを重視した戦いとなっている。立民の前職小熊慎司候補(56)の陣営は「政治とカネ」の問題で政治参加への興味をなくす国民がいるとして低下するとみる。共産の新人唐橋則男候補(63)の陣営は政治が変わることに期待する有権者が多くないとして前回と同じ水準と予想。無所属の前職上杉謙太郎候補(49)の陣営は区割り改定の影響と選挙啓発の効果を加味して前回並みに落ち着くと分析する。
浜通りが一つとなった4区は各陣営が大票田・いわき市を固め、旧5区に新たに加わった相馬地方への浸透に力を注ぐ。立民の新人斎藤裕喜候補(45)の陣営は9月のいわき市議選で投票率が過去最低を更新したことを考慮し、今回も低下するとみる。共産の新人熊谷智候補(44)の陣営は50%前後になると予測。投票率の引き上げを意識した選挙戦を展開しているためとした。自民の新人坂本竜太郎候補(44)の陣営は今回の衆院選の盛り上がりから前回と同程度の投票率に落ち着くと予想している。