
第50回衆院選は27日、投開票される。福島県内の区割り改定後初の選挙で、県内四つの小選挙区に立候補した自民、立憲民主、共産の各党と無所属の計11人が15日の公示以来、舌戦を繰り広げてきた。かつてなく政治倫理が問われた短期決戦の国政選挙で有権者の審判が下る。本県の投票所は1216カ所に設けられる。
開票率が90%程度に達するころには大勢が判明するとみられる。県選管委の推計によると、開票率が90%程度に到達するのが最も早いのは4区で午後10時ごろの見通し。次いで3区が午後10時30分ごろ、1区と2区は翌午前0時ごろとなっている。接戦の場合はさらに遅くなる可能性が高いという。
県内小選挙区の立候補者は、自民は前職1人と新人2人、立民は前職3人と新人1人、共産は新人3人を擁立した。無所属では自民党県連の支援を受ける前職1人が立候補した。街頭活動最終日の26日まで県内各地で激しい論戦を展開した。
【1区】
自民の前職亀岡偉民候補(69)は本県から活力を生み、子どもが夢を描ける社会の実現を主張してきた。
立民の前職金子恵美候補(59)は政治資金の規律強化を成し遂げるべきだとして支持を求めた。
【2区】
共産の新人丸本由美子候補(62)は腐敗した政治の根絶や経済政策の改善などに取り組む覚悟を示した。
立民の前職玄葉光一郎候補(60)は中低所得者への一部消費税の還付の必要性を訴えた。
自民の新人根本拓候補(38)は働きやすく子育てに適した社会の実現に取り組む姿勢を打ち出した。
【3区】
立民の前職小熊慎司候補(56)は物価高の克服と徹底した景気対策などを提案してきた。
共産の新人唐橋則男候補(63)は食糧自給率を向上させ農業を守る対策の大切さを唱えた。
無所属の前職上杉謙太郎候補(49)は防災のため国土強靱(きょうじん)化を進めると呼びかけた。
【4区】
立民の新人斎藤裕喜候補(45)は医療や福祉、介護、保育、教育の充実などを強調してきた。
共産の新人熊谷智候補(44)は巨額の防衛費が国民の暮らしや福祉などを圧迫していると断じてきた。
自民の新人坂本竜太郎候補(44)は東京電力福島第1原発の廃炉などの課題解決に努めるとした。
■県内小選挙区立候補者
(各選挙区とも届け出順、敬称略。丸数字は当選回数。☆は比例東北との重複立候補。()は政党本部の推薦)
【1区】
亀岡 偉民 69 自 民 前⑤(公) 選挙区支部長
金子 恵美 59☆立 民 前③ 政党役員
【2区】
丸本由美子 62 共 産 新 党地区副委員長
玄葉光一郎 60☆立 民 前⑩ 政党役員
根本 拓 38☆自 民 新 (公) 弁護士
【3区】
小熊 慎司 56☆立 民 前④ 政党役員
唐橋 則男 63 共 産 新 党地区委員長
上杉謙太郎 49 無所属 前② 政党支部役員
【4区】
斎藤 裕喜 45☆立 民 新 会社役員
熊谷 智 44 共 産 新 党地区委員長
坂本竜太郎 44☆自 民 新 (公) 選挙区支部長
■比例東北本県在住単独候補3人
衆院選の比例東北(定数12)には県内小選挙区との重複立候補で自民党の2区と4区の新人2人が同列3位、立憲民主党の1~4区の前職3人と新人1人が同列2位に名簿登載されている。東北ブロックの定数はこれまでの13から1減の12となり、厳しい戦いを繰り広げてきた。
本県在住の比例単独候補は計3人。自民、立民、公明の各1人が登載されている。名簿登載順位は次の通り。
▽自民18位=新人 小林文紀候補(63)・郡山市在住
▽立民1位=前職 馬場雄基候補(32)・郡山市在住
▽公明3位=新人 佐々木伸和候補(43)・郡山市在住