無所属の前職上杉謙太郎さん（４９）は、敗戦濃厚との知らせを受け、福島県会津若松市蚕養町の選挙事務所で支持者に深々と頭を下げた。

　自民党派閥裏金事件により、党公認候補の擁立方針は二転三転した。一度は比例代表の出馬を辞退したものの公示２日前に無所属で３区への立候補を表明。国民の不信感を真摯（しんし）に受け止めた上で「再始動」を掲げ、比例復活のない「背水の陣」で選挙戦に臨んだ。外務政務官など政府の要職を担った経験からインフラや医療・福祉の充実に向けた実行力をアピールした。

　ただ、序盤の出遅れも響き、地盤ではない会津地方で浸透しきれなかった。上杉さんは「有権者の審判を謙虚に受け止める」と悲痛な表情で語った。