
消防団の活動をデジタル変革(DX)の力で支援するアプリ「SAFE(セーフ)」を開発した。団員の出動状況や消防車両、水利の位置などをスマートフォンやタブレットで瞬時に共有できる仕組みだ。団員の減少や被雇用者化が進む中、斎藤浩平社長(42)は「消防団は地域防災の要になる。防災力を維持、向上させる助けになりたい」と言葉に力を込める。
斎藤社長が福島県の須賀川市消防団に入団して間もなく東日本大震災が起きた。団員の情報がもっと密に共有されていれば「より良い活動ができたのではないか」と思ったという。システムエンジニアの技術を生かし、アプリの前身となるインターネットサイトを公開した。和田晃司副社長(40)や県内の専門学校生とともにアプリの開発を進め、2018(平成30)年に販売を開始した。同年に須賀川市が取り入れて以降、現在では県内17市町村で導入されている。6年間で600件を超える火災で活用された。当初は火災発生時の活用がメインだったが、水害や地震に対応した機能を追加した。
アプリがあれば、土地勘が少ない団員でも活動がしやすくなる。斎藤社長は「隣り合った市町村消防団の連携を手助けする仕組みもつくりたい。このアプリを消防団が持つ基本装備にしたい」と目標を掲げた。
■メモ
▽創業=2015(平成27)年
▽社長=斎藤浩平
▽従業員数=4人
▽住所=須賀川市滑川字東町145
▽電話番号=050(5587)7475