
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故に伴い、空き倉庫になっていた福島県楢葉町井出の旧浪江電設倉庫は9月、飲食店や事業所が入居する地域交流拠点に生まれ変わる。町内の「おかしなお菓子屋さんLiebe(リーベ)」が移転し、菓子店併設のカフェを開く。代表の横須賀直生さんが地域交流拠点のプロジェクトの共同責任者を務めており、「食や文化、挑戦する人の姿など楢葉の魅力が伝わる場所にしたい」と意気込む。
拠点にはリーベのほかに子どもたちを対象にしたデジタルアートサークルやフレイル(虚弱)予防などに関する民間企業や団体が入居を計画している。
横須賀さんは新たにカフェ事業を始めようと物件を探す中、昨年5月に旧倉庫を見つけた。菓子店だけで使用するには規模が大きいため、各所へ呼びかけてプロジェクトを企画した。
新店舗では横須賀さんがケーキを、夫の嘉秋さんがイタリアン料理を担当する。町産食材を使った季節のメニューを提供する予定。横須賀さんは「楢葉の楽しい思い出となる場所の1つになり、町外からの人の流れを次世代へとつなげたい」と目標を語る。
移転に向けた費用を8日午後6時から、クラウドファンディング(CF)で募る。目標金額は350万円で、ショーケースなどの設備費に使用する。返礼品には限定のランチコースやスイーツなどをそろえた。CFサイト「キャンプファイヤー」から申し込める。