東日本大震災・原発事故

【震災・原発事故14年】福島県いわき市の20~30代の漁業者5人 〝絆〟強める団体設立 9日本格始動

2025/03/08 11:23

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いわきフィッシャーズネットワークを立ち上げた佐藤さん(右から2人目)ら若手漁業者
いわきフィッシャーズネットワークを立ち上げた佐藤さん(右から2人目)ら若手漁業者

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故発生後に就業した、福島県いわき市の若手漁業者が同世代の横の連携を強める任意団体「いわきFisher’s Network(フィッシャーズネットワーク)」を設立した。9日に市内で催される水産関連イベントに初出展し、活動を本格化させる。


■海のなりわい「次の世代に」

 祖父の代から漁業を営む同市四倉町の佐藤文紀さん(34)を代表とし、5人で1月に結成した。メンバーは震災後に漁業に就いた20~30代で、家業を継いだ人や新規就業した人もいる。

 きっかけはいわき市漁協が昨年始めた「担い手対策プロジェクト」だ。佐藤さんら将来を担う40歳以下の世代が月1回、情報交換や勉強会を重ねてきた。

 対話の中で機動的に活動でき、若手が参加しやすい環境を整えたい―との声が上がった。参加者の有志が声の受け皿として団体を組織した。漁師間の情報交換や技術向上に向けた勉強会の他、イベントの企画・運営や情報発信、行政との意見交換などにも取り組む。

 いわき市は南北に長い沿岸部に漁港が点在し、佐藤さんによれば地域を超えたの若い漁師のつながりが薄かったという。佐藤さんは「若手でも安定して収入を得られ、参入しやすい環境を整え、漁業を次の世代に伝えていきたい」と話す。