競技用義足駆使、5キロ完走 須賀川一中3年の宗像謙信さん 仲間に支えられ 福島県三春町

2025/06/10 10:23

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仲間とともにゴールを目指す宗像さん(中央)
仲間とともにゴールを目指す宗像さん(中央)

 競技用義足を身につけた宗像謙信さん(14)=須賀川一中3年=が8日、福島県三春町で開かれたさくら湖マラソンに出場した。友人がクラウドファンディング(CF)で製作費用を募った新たな義足と、普段から使っている義足を切り替えながら、5キロのコースを完走した。使いこなせるよう練習してきた成果が表れ、「去年より15分早く走れた」と充実感をにじませた。

 家族や装具士、友人ら宗像さんを支える「チーム謙信」が付き添った。宗像さんは、時より脚をかばうしぐさを見せながらも、懸命に前進した。仲間とゴールゲートをくぐり、トレードマークのはにかんだ笑顔を見せた。

 宗像さんは昨年初め、病で右脚が義足となった。昨年に同じ大会に出た際は、途中で伴走者の背中を借りた。「1年前は義足に慣れていなかったけど、今年は完璧に慣れた」。昨年10月に須賀川市の円谷幸吉メモリアルマラソンで自力で5キロを完走した経験などが、自信につながった。

 CFで資金を募った競技用義足が、今年に入り完成した。使いこなすための練習には痛みやつらさも伴った上、実際のレースでは体への負担が大きいため、普段用と切り替えたが、見事に走破した。「みんなが一緒に走ってくれるから頑張れる」と力の源を明かした。

 宗像さんは次の照準を円谷幸吉メモリアルマラソンに合わせる。「5キロを走り、1時間を切りたい」と目標を掲げた。