
▽決勝 聖光学院10-3会津北嶺
強打を武器にノーシードから勝ち進んだ会津北嶺は、聖光学院の主戦大嶋哲平を打ち崩せなかった。五回に一時勝ち越しの右前打を放った主将の五十嵐悠斗は「練習の全ては出し切れた」と大粒の涙を拭った。
シード校が擁する本格派右腕を攻略してきた。決勝は左腕の先発を予想し、シュート回転する球に体が開かないよう対策した。1点を追う五回。練習の成果を発揮し、3者連続の単打と押し出し四球で同点とした。続く満塁の絶好機で五十嵐は直球を力強く振り抜いた。打球は一、二塁間を破り、貴重な勝ち越し打となった。
だが六回以降、尻上がりに良くなる相手エースに抑え込まれた。八回まで走者を二塁まで進められず、短い時間で攻撃を終えた。準決勝までの5試合で43得点を挙げた強力打線は影を潜めた。
7点差で迎えた最終回。選手は諦めなかった。代打の1年生飯島統生が2死から中前打で出塁する意地を見せた。初優勝はならなかったが、選手は確かな足跡を刻んだ。飯島は「先輩たちのために必ず甲子園に出場する」と雪辱を誓った。