

日本陸連は2日、世界選手権東京大会の日本代表選手を追加発表した。福島県勢は女子200メートルの井戸アビゲイル風果(24)=東邦銀行=、女子400メートルの松本奈菜子(28)=同=が選ばれた。それぞれ混合1600メートルリレーにも選出された。井戸は初、松本は3度目の世界選手権代表入り。
井戸は8月の富士北麓ワールドトライアルで22秒79をマークし、開催国枠エントリー設定記録の22秒92を突破した。松本は優勝した5月のアジア選手権などでポイントを上乗せし、世界ランキングの順位を開催国枠でエントリー可能な位置につけた。
7月の日本選手権で開催国枠エントリー設定記録ちょうどの16メートル67を出した、男子三段跳びの山下航平(30)=ANA、橘高出身=は代表入りを逃した。
大会は13日から21日まで、東京都の国立競技場で開かれる。
■女子200メートル、混合1600メートルリレー 井戸アビゲイル風果 24 「最高のパフォーマンスを」
井戸は社会人2年目で世界最高峰の舞台にたどり着いた。「多くの県民に全力で応援してもらえるよう自分も全力を尽くす」。期待の新星は闘志をみなぎらせている。
目覚ましい成長を続けている。静岡国際で自己最高の23秒49をマークすると、日本選手権では2位に0秒39差をつける23秒18で優勝。女子100メートルとの2冠を果たした。
8月の富士北麓ワールドトライアルで22秒79の日本新記録を達成。福島千里さんが2016(平成28)年の日本選手権で出した22秒88を9年ぶりに塗り替えた。23秒台を目指した日本選手権前の目標をはるかに上回る快進撃だった。
開幕まで10日を切った。200メートルは準決勝、リレーは決勝進出を目指す。後半の加速につなげるためのコーナーの位置取りやフォームの修正など課題は分析できている。「最高のパフォーマンスを発揮できるよう、しっかりと調子を整える」と活躍を期した。
■女子400メートル、混合1600メートルリレー 松本奈菜子 28 「最後まで自分を信じ走る」
松本は遠回りの末に、個人種目では初の切符を手にした。女子400メートルの日本勢出場は、51秒75の日本記録を持つ千葉(旧姓・丹野)麻美さん(矢吹町出身)以来16年ぶり。「時間はかかったが、目標を達成できてうれしい」と喜びをかみしめた。
「個人種目で世界と戦う」。吉田真希子監督とともに夢を追いかけてきた。5月に臨んだ静岡国際で自己新の52秒14をマークすると、木南記念でも52秒88を記録。アジア選手権では、52秒17でアジア女王に輝くなど調子の良さを示した。 しかし、50秒台を狙っていた日本選手権の2週間前に肉離れに。痛みに耐えて挑んだレースは実力を発揮できず、厳しい結果に終わった。
日本選手権後は気持ちを切り替え、ポイントの上積みと自己研さんに励んだ。復調の兆しも見えてきた。世界選手権では日本記録更新を狙う。「最後まで自分を信じて走り切る」と意気込んだ。
■「努力の成果発揮して」内堀知事コメント
代表選出を受け、内堀雅雄知事は「これまで積み重ねてきた努力の成果を存分に発揮してほしい」とコメントした。