
福島県浪江町と社会福祉法人博文会、町社会福祉協議会の3者は協力し、住民の医療・福祉の向上に取り組む。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興に向け、地域医療・福祉の充実が課題となっている中、町民が安心して暮らせるまちづくりにつなげる。3日、3者が包括連携協定を結んだ。
高齢者の健康増進や疾病予防、福祉の促進で連携する。医療・介護分野での人材育成、介護・福祉施設や地域活性化の支援活動も展開する方針。具体的な内容は3者で協議を重ねて決める。
町役場で協定締結式が行われ、吉田栄光町長、博文会の松本千穂理事長、町社会福祉協議会の畠山煕一郎会長が協定書を交わした。吉田町長は「協定により実施される事業が町内の医療、福祉、介護の充実した支援につながる」と期待した。
震災と原発事故発生前に町内で特別養護老人ホーム「オンフール双葉」を営み、現在はいわき市で事業を継続している松本理事長は「町民の方々が健康で安心して暮らせる生活を取り戻していく」と強調。将来的に再び町内に医療・介護の支援拠点を設けたい意向を示し、「社会福祉の再構築に尽力していきたい」と決意した。
畠山会長は「町が大きく変化する中、自らの役割を果たすためにはこれまで以上の工夫と改善が必要。今回の連携は極めて意義が大きい」と語った。
(相双版)