福島県会津若松市の厳選米「アイヅ・ライス」 推進協が生育状況視察 適正収穫時期を確認

2025/09/04 16:03

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アイヅ・ライスの生育状況を確認する参加者=会津若松市河東町
アイヅ・ライスの生育状況を確認する参加者=会津若松市河東町

 福島県会津若松市の厳選コシヒカリ「AiZ’S―RiCE(アイヅ・ライス)」を手がける、あいづの厳選米生産推進協議会は3日、市内で生育状況検討会を開いた。この数年、暑さの影響で落ち込んだ生産量の回復に向け、関係者がほ場を視察し、適正な刈り取り時期を考えた。

 アイヅ・ライスは「会津清酒の酒かすを肥料に使用」「食味値80点以上」などの条件を満たしたコシヒカリ1等米がブランドに認定される。東京電力福島第1原発事故の風評で需要が減った会津産米の広告塔にしようと2018(平成30)年に始まった。

 生産量は右肩上がりに増え、2022(令和4)年産は52・1トンとなった。しかし、猛暑が打撃となり、昨年産は26・2トンまでに半減した。刈り取り時期の見極めも重要で、早いと青みがかった未熟なコメとなり、遅いと胴割れを起こして品質が低下する。

 この日の検討会では市農政課職員や生産農家が参加し、県会津農林事務所職員が講師を務めた。アイヅ・ライスを作る市内北会津町のミフシファームと、市内河東町の農業安西靖男さん(71)のほ場をそれぞれ視察し、2025年産の生育状況を確認した。

 安西さんはブランド発足当初から生産に取り組むベテラン農家だが、一昨年と昨年は条件を満たすコメが収穫できなかったという。助言を参考に、刈り取りを今月20日過ぎと決めた。安西さんは「今年はアイヅ・ライスに合格できるよう、残りの期間は水入れのタイミングや量を気をつけたい」と話した。

 アイヅ・ライスの生産には今年度、市内の個人と法人合わせて13経営体が参画している。9月下旬から10月上旬までに検査し、合格したコメを販売する。

(会津版)