
日大工学部発のベンチャー企業「e6s(えしっくす)」(横浜市)は災害による断水、停電時に使用できる車載式の「完全自立型移動式水洗トイレ」を開発した。11日、福島県郡山市の日大工学部で完成披露会を開いた。
普通免許で運転できる車両の荷台部分に、温水洗浄便座付きの大便器と小便器の計2基を搭載。電源は屋根に設けた太陽光パネルと内蔵電池でまかなう。
水洗トイレで流した汚物は水と固形物に分かれる。水は3層の活性炭で色や臭いを取り除き、塩素で消毒して循環利用する。固形物は不織布で巻き取り、管理者が不織布の交換や汚物を回収できる。
神奈川トヨタ自動車と共同で開発し、県と福島イノベーション・コースト構想推進機構が支援した。システムを研究した日大工学部の中野和典教授が仕組みを説明した。機構の戸田光昭専務理事は「災害に備え、世界中で需要のあるシステムを広く知ってもらいたい」とPRした。