

白河藩主・松平定信の文化的業績に焦点を当てた企画展「松平定信の文化力―つくり・しらべ・うつし・つたえる―」は13日、福島県白河市の小峰城歴史館で開幕した。定信の文化人としての人物像が浮き彫りになっている。11月9日まで。
「松平定信の素養」「幕政・藩政と文化事業」「松平定信の文化力」「楽翁と文芸」の各コーナーに分かれ、自筆の書画や詠歌、随筆、ゆかりの工芸品など約70点を展示している。中でも「松平定信像」は自画像で、幕府老中首座に就いた1787(天明7)年に描かれた。2枚のうち1枚を白河に運び、留守中の家中の引き締めを図ったと考えられる。
また「宇下の人ごと」は自叙伝で展示品は自筆原本。定信の生い立ちから老中退任までが克明につづられている。絵画を好み、描いた絵を天皇や将軍に献上したことなどが記されている。
小野英二専門学芸員による解説会もあり、来場者が興味深げに見入った。解説会は23日、10月18日、11月9日にも行われる。時間はいずれも午前11時からと午後2時から。
開幕に先立ち同歴史館でオープニングセレモニーを行った。鈴木和夫市長が「大河ドラマでは厳しい政治家というイメージだが、文化人として一面も注目してほしい」とあいさつ、石名国光市議会議長が祝辞を述べた。鈴木市長、石名議長、中目公英南湖神社宮司ら5人がテープカットし、開幕を祝った。
時間は午前9時から午後5時。月曜休館。入館料は一般300円、小中高校生・障害者100円。問い合わせは同歴史館へ。
(県南版)