福島・いわき産人工衛星 宇宙へ 米国で打ち上げ成功 科学人材育成へ製作

2025/09/17 10:34

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ロケットで打ち上げられた人工衛星(e―kagaku提供)
ロケットで打ち上げられた人工衛星(e―kagaku提供)

 科学に携わる人材の育成を目指し、福島県いわき市の旧永井中公社に設立された「e―kagakuいわき宇宙センター」などで作られた人工衛星「IWATO」が日本時間15日、米国からの打ち上げに成功した。人工衛星を搭載したロケットが国際宇宙ステーション(ISS)に到着後、ISS滞在中の宇宙飛行士によって10月第2週をめどに宇宙空間に放出されるという。

 放出後約1週間で地球へのデータ送信を始める。衛星から届くデータをいわき宇宙センターで受け、e―kagaku国際科学教育協会の公式ホームページで軌道情報を世界に向けて発信する。各地のレーザー観測サイトと連携して衛星データを観測し、宇宙ごみの軌道研究にも役立てるという。

 人工衛星は直径10センチの立方体。いわき宇宙センターに全国の中学生、高校生らが集い、同協会代表理事で宇宙物理学の専門家北原達正さんの指導を受け、製作に取り組んできた。

 北原さんによると、今回の製作に県内の子どもは直接関わっていないという。ただ、同センターでは県内の小中学生や高校生約30人が活動に励んでおり、今後は県内の子どもが人工衛星「2号機」に携わる可能性がある。同センターは秋に体験教室を予定している。