奥羽山脈の大杭甲への登山ルート整備 福島市万世大路を守る会 3ルートに案内板を設置

2025/09/17 16:45

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大杭甲山頂から望む福島市街地
大杭甲山頂から望む福島市街地

 福島市万世大路を守る会(岡部達也代表)は福島、山形両県の県境にそびえる奥羽山脈の大杭甲(標高1202メートル。別名・杭甲山)への登山ルートを整備した。

 同会は10年前から、福島市と山形県米沢市を結ぶ国道13号の旧道「万世大路」の維持補修にボランティアで取り組んでいる。2023(令和5)年度までに「栗子隧道」までの仮復旧や堆積土石の除去をほぼ終えた。昨年から岡部代表らが大杭甲までの現地踏査を重ねた上で、最適なルートに目印のテープや標高50メートルごとに案内板を設置した。伐木の刈り払いも行い、「栗子隧道福島市側坑口」「栗子隧道米沢市側坑口」「小杭甲(標高1132メートル。大杭甲の南西)」からそれぞれ大杭甲を結ぶ3本の登山ルートを整備した。

 大杭甲の山頂からは吾妻、飯豊、朝日、月山、蔵王の360度の眺望が楽しめる。ただ、いずれの登山道も急勾配で、熊などの野生動物も生息している。岡部代表は「熊鈴やラジオを携行し、万全な装備と登山経験豊富で体力に自信のある複数人で、余裕を持った計画で登山を楽しんでほしい」と呼びかけている。

 同会によると、栗子隧道福島市側坑口は国道13号東栗子トンネル手前から約9キロで、このうち約7キロは軽四駆車での通行が可能。米沢市側坑口は同採石工場入口から約6キロで車両通行制限があるという。