福島県職員週休3日検討 総勤務時間維持 なり手確保、離職防止

2025/09/20 11:16

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 福島県内への人材の定着などが課題となる中、県は職員の勤務環境改善策の一環として「選択的週休3日制」の導入に向けた検討を開始した。業務の質を維持しながら職員の多様な働き方を後押しできる仕組みを整えることで、若い世代を中心としたなり手の確保や離職防止につなげる。19日の9月定例県議会代表質問で、内堀雅雄知事が自民党の鈴木智議員(いわき市)に答えた。

 選択的週休3日制では、子育てや介護などのため、休日を従来より多く希望する職員が柔軟に休みを取れる制度とする。具体的には、希望する職員が土日の他に休日としたい日の勤務時間を他の勤務日に割り振ることで、働く時間の総量を維持したまま休める仕組みを想定している。通常は1日当たりの勤務時間は7時間45分、1週間の勤務時間は5日間で合計38時間45分となるが、これを4日間に割り振ることで土日以外にも1日分の休日を確保できるようにする方向で検討を進める。

 県は今月中にも人材の確保や職場環境の整備などを柱とした「県職員人材育成・確保基本方針」を策定する。素案には週休3日制を実現するためのフレックスタイム制度の導入方針など新たなを取り組みを盛り込む予定だ。

 少子化や若い世代の県外への転出などを受け、県職員の希望者は減少傾向にある。大卒程度や高卒程度、警察官などを含めた近年の県職員採用試験の平均倍率は【グラフ】の通り。2024(令和6)年度試験の倍率は2・7倍で、2011年度試験の5・9倍と比較して半分以下に落ち込んだ。東日本大震災や東京電力福島第1原発事故からの復興・創生に向けた課題が山積する福島県では、能力ある人材の確保に向けた取り組みの強化が急務となっている。県だけでなく、同じく採用に課題を抱える地元民間企業の人材確保策の充実も必要で、官民一体の施策も求められている。

 県人事課の川井勝博副課長は「職員が週休3日制を選択できるようにすることで、働きやすく、能力を発揮できる職場環境の実現を図りたい」と語った。