


福島県会津若松市街地で20日に催された会津まつりのメイン行事・会津藩公行列は、大勢の市民や観光客が沿道に詰めかけ、勇壮な歴史絵巻に力強い声援と拍手を送った。出発を前に鶴ケ城本丸で先人感謝祭や出陣式を催した。
■玉串をささげる 先人感謝祭
先人感謝祭では、会津松平家祖・保科正之に扮した成田源一郎会津まつり協会副会長(市区長会長)が鶴ケ城天守閣再建60周年に触れ「城は会津人にとって誇りで、シンボルで、長い歴史に思いをはせる場所だ。改めて会津まつりの基本理念を思い返し、伝統を後世につないでいくと誓う」と祭文を読み上げた。会津松平家14代当主松平保久さん、松平容保に扮した15代の親保さんら参列者が玉串をささげた。
出陣式では「剣伎衆かむゐ」の殺陣の演舞、一箕中生の白虎隊剣舞、葵高生の娘子隊演舞に続き、親保さんが出陣を宣言した。
沿道に繰り出した参加者は甲冑や着物に身を包み、沿道からの拍手や声かけに手を振って応えていた。
おけい役を担った葵高2年の鈴木詩乃さんは「皆さんの声援のおかげで演じ切れた。会津の人々が一体になったと感じられる一日だった」と振り返った。今年7月に市観光大使に就任した人気ユーチューバー「サワヤン兄弟」の兄トカチョフ・サワさんと弟トカチョフ・ヤンさんが狙撃隊を務めた。子どもたちに名前を呼ばれると笑顔で応じた。
行列には全国にある会津ゆかりの地の関係者も参列した。
■俳優の綾瀬はるかさん登場 会津弁交えてあいさつ 出陣式
出陣式では、NHK大河ドラマ「八重の桜」で山本八重を演じた俳優の綾瀬はるかさんが特別ゲストとして登場した。
綾瀬さんは「会津藩公行列、10回目の参加となります。毎年呼んでくれて、ありがとなし」と会津弁を交えてあいさつした。「暑い夏が終わりかけ、秋の風が吹き始めていますが、今日も楽しく盛り上げていきましょう」と語った。
藩公行列の沿道では市民から「綾瀬さん、ありがとう!」「はるかちゃん」と声が上がり、綾瀬さんが笑顔で手を振った。
(会津版)