建設計画から50年「奥羽新幹線」 福島JCなど7組織 地域間交流へ検討会が発足 来年8月提言まとめ

2025/09/22 11:00

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検討会の発足式に臨んだ構成組織の関係者ら
検討会の発足式に臨んだ構成組織の関係者ら

 福島市から山形市を経由し秋田市まで走るフル規格の「奥羽新幹線」の構想を話し合う検討会は21日、発足した。福島市内の経済、まちづくり団体などの構成7組織がJR福島駅前の活性化や地域間の交通機能強化を含めた多角的な視点で協議を進め、来年8月の提言取りまとめを目指す。

 検討会の構成組織は福島青年会議所(JC)、福島商工会議所と市商店街連合会の両青年部、福島まちづくりセンター、市観光コンベンション協会、ふくしま未来研究会、福島大。交通政策に詳しい福島大経済経営学類の吉田樹教授が座長を務め、市、福島商工会議所、市商店街連合会の3者がオブザーバーとなる。

 11月から来年8月までに計5回の会合を開き、空洞化が課題の福島駅周辺の現状や将来像、新幹線整備による効果などを検討。まちづくりの成功事例を学びながら、提言に生かす方針。

 21日は市内で発足式と勉強会が開かれ、福島JCの尾形翔平理事長があいさつし、南祐希まちづくり委員長が検討会の設立趣旨を説明した。福島―米沢駅間の「米沢トンネル(仮称)」の実現を目指す山形県議会の議員連盟の役員3人が奥羽新幹線や米沢トンネルの概要、山形県内の取り組みを伝えた。

 奥羽新幹線は1973(昭和48)年11月に政府の基本計画に明記されたが、建設に至っていない。山形県内では米沢トンネルを新幹線実現の第一歩と捉え、官民連携の動きが進んでいる。今月18日には県が国土交通省、JR東日本、有識者などと共にトンネル整備の在り方を話し合う検討会を設立した。