
福島県いわき市でフレンチレストランを営む栗崎透さん(63)と妻の容子(63)さんは21日の世界アルツハイマーデーに合わせ、市内平南白土に「注文をまちがえる みんなの食堂」を1日限定で開いた。若年性アルツハイマー型認知症を患う容子さんら認知症患者がホールスタッフを務め、大勢の客をもてなした。
認知症への理解を広めるための全国一斉の取り組みに参画した。元々、夫婦で店を営んでいたが、容子さんの発症を機に閉めた店を1日限りでオープンさせた。同店の居抜きで子ども食堂を運営するNPO法人とともに準備を進めてきた。
かつてのように栗崎さんが厨房に立ち、容子さんが接客や料理の提供を担当。認知症患者がスタッフを務めた。注文を取り、前菜やメインディッシュ、デザート、ドリンクなどコース料理をテーブルまで運んだ。容子さんはワインのシニアソムリエ資格を持っており、ワイングラスに華麗に注いでいた。
この日は昼、夜の2部制で営業し、約40人を迎えた。容子さんは「お客さんの楽しむ姿を見ることができてうれしい」と笑顔を見せた。
(いわき版)