「ジャズ」で福島県富岡町を盛り上げ 28日、初のフェス 県内出身の奏者ら7組が出演

2025/09/25 18:25

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来場を呼びかける山本さん(右)と公恵さん
来場を呼びかける山本さん(右)と公恵さん

 「富岡JAZZフェス~災害を忘れない~」は28日午前10時から午後3時まで、福島県の富岡町文化交流センター学びの森で初めて開かれる。福島県出身のジャズ奏者ら7組が出演し、会場をジャズで盛り上げる。入場無料。

 南相馬市出身のドラマー二本松義史さん、福島市出身のギタリスト浅利史花さんの両トリオが演奏を披露する。いわき市や南相馬市などで活動する地元のジャズグループら5組もステージに立つ。

 東京電力福島第1原発事故に伴う避難が長期化し、人口やコミュニティ再生が課題となる中で新たな文化をつくろうと企画した。交流を生み出し、富岡の魅力や誇りを感じる場の創造を目指している。

 会場にはキッチンカーが出展する。能登半島地震のパネル展があり、被災者の手芸品販売、募金活動も繰り広げる。

 JAZZフェス開催の準備を中心となって進める山本進さんは、町内で音楽喫茶「音カフェ721」を営む。「生音を楽しみ、多くの人に好きになってもらい楽しい時間を過ごしてほしい。富岡が広く発信されるイベントへみなさんと育てていきたい」と来場を呼びかけている。

 広島県福山市の出身で、原発事故後、県内などでボランティア支援に取り組んだ。2021(令和3)年7月に富岡町に移住。地元アーティストによるライブイベント「さくらライブ」を毎月定期開催し、2023(令和5)年3月に店をオープンした。

 ジャズやポップスの流れる店内で妻公恵さんとコーヒーや食事を提供している。「ジャズの自由な表現や即興性といった特徴は再生や復興のテーマに重なる」と、哲学を語る。

(相双版)