
東北自動車道大玉スマートインターチェンジ(IC、仮称)の設置の可否を検討してきた国や福島県大玉村、東日本高速道路(ネクスコ東日本)などは25日、事業化の最終段階となる「地区協議会」を設立した。スマートICを村内の大山地区に設置する方針を盛り込んだ実施計画書案を全会一致で承認した。村が月内にも実施計画書を国に提出し、国は今年度内に新規事業に採択する見通し。村はスマートICを核に企業誘致や観光振興、地域活性化につなげる。
地区協議会の初会合は村農村環境改善センターで開かれた。冒頭を除き非公開。国やネクスコ東日本、県、村などの担当者が出席した。昨年9月に国の準備段階調査の採択を受け、村などは準備会を計4回開催しスマートICの位置や構造、交通量の推計などを調べてきた。村はこれまでの検討内容をまとめた実施計画書案を示し、承認を得た。
実施計画書に盛り込んだ大玉スマートICの設置候補地は【地図】の通り。二本松―本宮IC間約13キロのうち、村内の大山地区を軸に具体的な調整が進む見通し。国道4号から直線距離で西に約800メートルと近接し、周辺には大型商業施設「プラント5大玉店」やあだたらの里直売所などが立地しており、利便性や周遊性が高い。村は国の事業採択後に用地交渉に入る方針。
村はスマートIC周辺に工業集積拠点と地域振興拠点を形成する「大玉ゲートウェイ構想」を掲げている。地区協議会長の押山利一村長は初会合の冒頭で「村の自立と発展にはスマートICを中心としたまちづくりによる働く場とにぎわいの創出が欠かせない」と意義を強調した。
■東北道県内5カ所目
県内には八つのスマートインターチェンジ(IC)が整備されている。直近では、2019(平成31)年3月に常磐自動車道ならはスマートICが開通した。東北自動車道では福島松川、白河中央、鏡石、郡山中央に続き、5カ所目となる。
常磐自動車道の小高スマートICは現在、整備が進められている。