アウトドア キャンプ 自然と生きる in 福島

自然の中で食べる「ごちそう」紹介します!レシピも!

【アウトドア キャンプ 自然と生きる】心身癒やす復興の象徴(新地町・釣師防災緑地公園)

2021/07/11 12:03

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防災緑地公園のそばに広がる釣師浜海水浴場
防災緑地公園のそばに広がる釣師浜海水浴場
クロメバルを釣り上げた阿部さん
クロメバルを釣り上げた阿部さん
海釣り公園で釣れたイシダイやクロダイ、クロメバル
海釣り公園で釣れたイシダイやクロダイ、クロメバル

 海と山の豊かな自然を味わえる新地町。鹿狼山からほど近い海沿いの釣師(つるし)地区に「釣師防災緑地公園」がある。広大な土地にキャンプ場をはじめ、野外活動に適した多彩な機能や遊具を備える。周辺には海水浴場や海釣り公園もあり、一日中楽しめる。今回は日帰りキャンプ(デイキャンプ)で新地の魅力を満喫した。

■波の音届き開放感

 浜風に乗って波の音が届く。海辺にある広大な釣師防災緑地公園は空と海とつながるような感覚が心地よく、開放感に満ちている。海岸堤防を越えれば、遠浅のビーチが特徴の釣師浜海水浴場が広がる。東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた一帯は復興の象徴に生まれ変わり、来訪者の心と体を癒やす。

 鹿狼山登山を終えた後、園内のキャンプ場にタープを張り、野外活動の拠点を設けた。公園の広さは約18ヘクタール。緑地にはオートキャンプとバーベキューに対応したキャンプ場をはじめ、大型遊具を備えた「子どもの広場」、BMXやマウンテンバイクに対応する国内最大級の常設型パンプトラックなど、多彩な機能がある。

 公園は「減災」「交流促進」「震災アーカイブ」をテーマに整備された。かさ上げされた海岸堤防と防災緑地が津波発生時にはその勢いを弱め、浸水や漂流物から市街地を守る。パークセンター(管理棟)は震災・復興の年表や震災前のジオラマを展示し、震災の記憶をつなぐ。

 公園東側の海岸堤防を降りると、釣師浜海水浴場に出る。町企画振興課の持舘(もったて)香織さんと町観光協会の阿部未央さんが浜辺を散策した。昨年は新型コロナウイルスの影響で海開きが中止となったが、今夏は2年ぶりに海水浴客のにぎわいが戻る。2人は「ぜひ新地の夏を楽しんで」と来訪を呼び掛けた。

 今回参加できなかったタレントのなすびさん(福島市出身)は「震災による津波被害から復興に向かう中で、新たな防災のための場所が人々に親しまれる場にもなっていることは素晴らしい。今度訪れてみたい」と話した。

■釣師防災緑地公園

◆公園利用

▽開館時間=4月~11月は午前9時30分~午後5時30分、12月~3月は午前9時30分~午後5時

▽公園利用無料(キャンプなどは有料)

▽休園日=火曜日、年末年始

▽駐車場=579台

◆オートキャンプサイト

▽15区画(うちAC電源付き9区画)

▽区画サイズ=10メートル×10メートル(車2台乗り入れ可能)

▽料金=AC電源ありは1区画1泊・5090円、AC電源なしは1区画1泊・4070円

◆バーベキューサイト

▽10区画(AC電源なし)

▽料金=1区画・1010円

▽区画サイズ=8メートル×8メートル

◆住所・アクセス

 ▽新地町谷地小屋北畑11の1。JR常磐線新地駅から徒歩15分、常磐自動車道新地インターチェンジから車で12分

◆予約・問い合わせ

 パークセンターへ。

■浜といえば海釣り

 釣師防災緑地公園から車で5分ほどの場所にある海釣り公園。阿部さんが竿を出し、浜ならではの野外活動を楽しんだ。

 公園指導員の中島昭さんが、釣り初心者の阿部さんに手ほどきした。基本的な釣り方は、おもりを着底させた後、ゆっくりと上下に動かすこと。阿部さんが実際にやってみると、疑似餌を付けたサビキ釣りで体長20センチほどのクロメバル2匹を釣り上げた。「すぐに釣れてびっくり」。阿部さんは目を丸くして笑った。

 早朝から釣りをしていた中島さんは、ぶっ込み仕掛けで、大きなクロダイやイシダイなど多くの海の幸をクーラーボックスに収めた。「夏はカンパチやイナダ、ヒラマサが回遊してくる。1年中、季節に応じて、さまざまな魚を狙える」と中島さん。多くの来客を心待ちにしている。

■海釣り公園

デッキには幅2.5メートルの区画が41カ所ある。屋根付きの休憩所も備える。小学生の入園は4年生以上で大人の同伴が必要。

▽入園料(半日)=高校生以上1000円、小・中学生700円

▽開園時間=午前6時~正午、正午~午後6時(3月~9月)午前6時30分~午前11時30分、午前11時30分~午後4時30分(10月~2月)

▽休園日=年末年始と荒天日

■魚さばきに挑戦 釣り上げたクロメバルなど

 持舘さんと阿部さんが釣り上げたクロメバルなどをキャンプ場でさばき、“キャンプめし”にも挑戦した。

 魚のさばきには小出刃包丁を使う。魚はうろこを取った後、頭を落とし、腹を割いて内臓を取り除く。身を三枚におろし、皮を取った後、刺身にした。中島さんが釣ってくれたイシダイもさばいた。

 料理のメーンの1つは相双沖で捕れた新鮮なカレイのアルミホイル焼き。塩とコショウをまぶした切り身をキノコやバターと一緒にアルミホイルで包み、たき火台で焼く。火が通れば完成だ。

 次は、魚介をたっぷり使ったパエリア。火に掛けたフライパンにエビやアサリ、イカ、鶏肉、コメを入れ、ホールトマト、水などを加える。最後に新地産トマトを添える。

 料理を味わった持舘さんは「カレイは少し塩気が足りなかったけど、火が通り、身が厚くておいしい」と及第点。パエリアの出来栄えには「魚介のうま味が出た」と満足げな様子だった。火や水の加減が難しかったという持舘さん。それでも「これがキャンプの楽しさですね」とほほ笑んだ。