アウトドア キャンプ 自然と生きる in 福島

自然の中で食べる「ごちそう」紹介します!レシピも!

【アウトドア キャンプ 自然と生きる】そそり立つ奇岩怪石 伊達市の霊山

2021/08/15 08:20

  • Facebookで共有
  • Twitterで共有
雄大な霊山の岩峰を望む霊山こどもの村
雄大な霊山の岩峰を望む霊山こどもの村

 古くから東北山岳仏教の一大拠点として栄えたとされる霊峰・霊山(825メートル)。奇岩怪石がそそり立ち、独特の景観をつくり上げている。山の上には百を超える堂塔伽藍(がらん)があったとされ、南北朝時代には東北地方の軍事拠点となった。多くの人が行き来した往時に思いをはせながら頂上を目指した。

 太陽が照り付け、朝から温度が上がった。せみ時雨の中で霊山こどもの村近くの登山口から出発する。急な山道を上がっていくと小川のせせらぎが聞こえてきた。この水が霊山を仏教と軍事の拠点にしたとみられる。

 霊山は平安時代初期の859年に比叡山の慈覚大師(円仁)により開山されたという。南北朝時代には南朝の忠臣北畠顕家が陸奥の国府を開き、東北地方の軍事拠点として霊山城を構えた。古くから多くの人がこの山で生活できたのは、豊富な水があったからこそだ。登山道の途中で先人も利用したかもしれない淵を見つけた。

 国司沢という岩場に到着した。中国の山水画を思わせる景観で、特に紅葉の時期の絶景が最もよく知られている。遠く吾妻連峰や安達太良山を望むことができる。

 国司沢を過ぎると天狗(てんぐ)の相撲場に着く。畳八畳ほどの広さの平らな岩が谷に突き出している。四方は断崖絶壁だ。通ってきた国司沢の奇岩群が眼前に迫る。この場所で修行していた山伏が岩と岩の間を飛び回る天狗の姿を想像して「天狗の相撲場」と名付けたのではないか。現実世界をいっとき離れ、いにしえに思いを巡らせた。

 自然にできた岩のトンネルをくぐると目の前が開けた。この場所は護摩壇とよばれている。霊山寺の僧が護摩をたいて修行した岩場と伝えられている。さらに国司館跡、霊山城跡などが続く。

 霊山城跡を後にすると、霊山の山頂に当たる東物見岩に着いた。天候に恵まれれば新地町の鹿狼山、宮城県の金華山、仙台市街まで望めるという。この日は雲があって見ることはできなかった。

 案内してくれた霊山道先案内人の丹治テイさんは「どの季節に登っても魅力がある山。登るたびに新しい発見があり、美しい景色に出会うことができる」と語った。

文 横山 雄介

写真 谷口 健斗

(次回は8月22日掲載予定)


■なすびの一言

 岩山らしい独特の山容を特長としています。初心者でも登りやすく、眺望もいいです。紅葉の時期の景色も美しい。ボルダリングができるのは、岩山ならではの楽しみですね。