福島県郡山市が自宅療養者の医療体制拡充へ 市職員が24時間対応 第6波に備え

2021/11/09 09:39

  • Facebookで共有
  • Twitterで共有

 福島県郡山市は新型コロナウイルス感染流行の「第6波」に備え、自宅療養者の医療支援体制を充実させる。自宅療養者が急増した場合、市職員が24時間体制で対応し、保健所業務の混乱解消につなげる。医師や看護師による訪問診療、訪問看護も導入し、自宅で健康観察中の感染者が直接、医師の診察を受けられるようにする。市によると、全国に先駆けた取り組みで、「郡山モデル」として感染者の不安解消につなげる。

 市は自宅療養者の急増を想定し、健康観察から療養支援、受診調整などを切れ目なく行う仕組みを整える。

 自宅療養者が50人を超えた場合、保健所に各部署から人員を集めてチームを設置し、24時間体制で支援する。電話による健康観察、血液中の酸素濃度を計測できる「パルスオキシメーター」や食料の配布、症状が悪化した場合の受診調整などに当たる。人員が限られている保健師ら専門職は電話相談などに専念できるようにし、不安を抱えながら自宅で過ごす療養者に寄り添う。

 自宅療養は原則、無症状か軽症者だが、感染者が急増し、中等症患者や重症化のリスクがある患者が自宅療養を余儀なくされる場合にも備える。医師会などと協力しながら、中等症患者らの体温や酸素濃度などを細かく確認し、診察が必要と判断した場合には医師や看護師が自宅に駆け付ける。在宅で酸素濃縮装置を使うことなども検討している。軽症者は医師が電話で診察し、必要な薬は配送協力薬局が届ける。

 流行の「第6波」は今冬にも起きると想定され、医療提供体制の拡充が課題となっている。郡山市では感染が急拡大した8月、自宅療養者が最大132人となった。保健所業務は混乱を極めたため、想定を上回る感染に備えた態勢づくりが急務となっていた。

 市保健所の塚原太郎所長は「想定以上の感染拡大でも、1人でも多くの患者が適切な治療を受けられるようにする」と語る。市内の無職国分正友さん(72)は「自宅療養者の支援強化は不安払拭(ふっしょく)につながる」と歓迎する一方、「入院病床を増やすなど、少しでも安心して医療を受けられる環境整備にも引き続き、力を入れてほしい」と望んだ。