
郡山市の増子建築工業はリノベーション事業に力を入れている。改装作業を通じて住宅の高断熱と省エネ性能を高め、既存の建築物や空き家の有効活用を進めている。
二〇一七(平成二十九)年にリフォーム、リノベーション、コミュニティーの頭文字から名付けたブランド「りりこ」を立ち上げた。既存の建物に断熱材を入れるなどし、電気やガスのエネルギー消費削減につなげている。建物の骨組みや基礎などは再利用するため、新築に比べて発生する廃棄物も少ない。
「りりこ」には地域や家族のコミュニティー維持への願いも込められている。各地で社会問題化する空き家を再生して居住者が増えれば、町の活性化にもつながるとしている。
■地域に寄り添う工務店を目指す
一九六八(昭和四十三)年に創業した。ブランド「りりこ」を発案し、新築だけでなく、リノベーション事業にも注力している。「ふくしまの豊かさを築く」を使命に、地域に寄り添う工務店を目指している。
増子則博社長 地震や原発事故、台風など多くの災害を地元住民と共に乗り越えてきた。地域の工務店として、住宅を整備、管理するだけでなく、そこに住む人々の生活が豊かになる家造りを追求したい。
【主な取り組み】
■リノベーション事業
・県産を含む国産の木材を利用。有害化学物質によって発生するシックハウス症候群になりにくい住宅を提供
・断熱性などの性能を高め、省エネを実現
・空き家や既存の住宅を再生利用して廃棄物を削減
■新築住宅
・県産や国産の木材を使用し、地域経済の活性化につなげる
■不動産事業
・適正価格で住居を提供し、住居費負担による貧困を減らす
■人材育成
・新築だけでなく、リノベーションを可能にする建設技術者の育成
・女性の活躍推進