
福島県は県内の新型コロナウイルス感染者について、従来の変異株オミクロン株を上回る感染力を持つとされる派生型「BA・2」に7人が感染していたと25日、発表した。県内での「BA・2」の確認は初めて。県衛生研究所でのゲノム解析で判明した。7人のうち5人が感染経路不明のため、県は市中感染の可能性が高いとみて警戒を強めている。
県は新型コロナ感染者のうち重症化リスクの高い高齢者らの検体を抽出し、県衛生研究所でゲノム解析している。1月1日から2月21日までにオミクロン株と確定したのは791人で、このうち784人は主流型「BA・1」だった。県によると、「BA・2」の7人は1月中旬から2月中旬にかけて陽性判明したという。感染経路不明5人の他、海外渡航歴があったのは1人、県外由来が1人となっている。
国立感染症研究所によると、「BA・2」は「BA・1」よりも二次感染率が高く、発症するまでの間隔が短い特徴がある。ワクチンの発症予防効果や入院リスクに大きな差は見られていないとしている。
県新型コロナ対策本部の担当者は「国内では『BA・1』が主流だが、感染力が高いとされている『BA・2』にも注意が必要で動向を注視する」とし、県民には引き続き基本的な感染防止対策の徹底を呼び掛けている。