2022.3.16福島県沖地震

福島県沖地震でライフライン寸断、人工透析など医療現場に影響 福島県内

2022/03/18 11:09

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公立相馬総合病院(右奥)の貯水槽に水を供給する陸上自衛隊
公立相馬総合病院(右奥)の貯水槽に水を供給する陸上自衛隊

 強烈な地震の爪痕は電気や水道などのライフラインを寸断し、医療現場にも影響を及ぼしている。

 福島県相馬市の公立相馬総合病院では、17台ある人工透析装置が強い揺れで倒れて破損するなどした。停電のため装置に通電できず、正常に作動するか確認できない。人工透析には大量の水も必要だが、病院の貯水槽も倒れて水が減っている上、市内のほぼ全域にわたる断水の影響が重くのしかかる。

 市災害対策本部は17日、同病院で透析治療を受ける患者49人の受け入れ態勢などを協議。被害が比較的軽かった市内の相馬中央病院で治療を行えるよう調整し、この日は15人の患者が同病院で透析を受けた。

 公立相馬総合病院によると、地震後に災害派遣医療チーム(DMAT)が駆け付け、約百人の入院患者らに対する医療サービスの提供維持に向けた調査に入っている。陸上自衛隊神町駐屯地(山形県)は給水車2台で水を運び、水道が復旧するまで給水支援を続けている。東北電力は高圧応用電源車2台を派遣し、電源復旧まで業務維持に必要な電力を供給した。

 災害対策本部会議で立谷秀清市長は「生命の危機に直結する人工透析治療の復旧は最優先」とし、対応を急ぐよう指示した。