2022.3.16福島県沖地震

東北新幹線の郡山以南は22日運転再開 郡山―福島は4月2日ごろ

2022/03/22 09:40

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 福島県沖を震源とする最大震度6強を観測した16日の地震で被災し、那須塩原―盛岡駅間で運休している東北新幹線のうち、那須塩原―郡山駅間は22日、運転を再開する。郡山―福島駅間は4月2日ごろに再開する予定。JR東日本が21日、発表した。同社は4月20日前後の全線再開を目指す方針。復旧の見通しが示される一方、全線再開は新年度に持ち越され、進学や就職など新生活への影響が続きそうだ。

 東北新幹線は一ノ関―盛岡駅間も22日、仙台―一ノ関駅間は4月4日ごろ再開する。22日の再開区間を含む東京―郡山駅間と一ノ関―新青森駅間は当面、折り返し運転となる。東京―郡山駅間は通常の半分程度の本数とし、各駅停車、自由席のみの臨時ダイヤで運転する。

 郡山―一ノ関駅間は22日以降も運転見合わせが続くが、4月に運休区間が段階的に縮小される見通し。臨時ダイヤと最新の運行情報はJR東日本ホームページ(http://www.jreast.co.jp)などで確認できる。

 東北新幹線は16日夜の地震で、宮城県白石市の福島―白石蔵王駅間を走行していた下りの「やまびこ223号」が脱線。沿線の広範囲で被害が出たとして那須塩原―盛岡駅間で運休した。脱線現場では車両をレールに戻し、撤去する作業が進められている。

 運休区間の被害調査では脱線のほか、高架橋や電柱、架線の損傷、レールのゆがみ、駅設備の損壊などが約1000カ所で確認された。被害は脱線現場を含む福島―仙台駅間に集中しているという。

 同社は21日、脱線した車両の乗客3人から、負傷したとの申告があったと明らかにした。けがの程度は捻挫や打撲などで、入院はしていないという。当初、脱線車両の乗客を75人、乗員を3人の計78人と発表していたが、乗員は5人だったと訂正した。

 2004(平成16)年の新潟県中越地震でも営業運転中の上越新幹線が脱線したが、負傷の申告はなく、今回が新幹線脱線事故で乗客が負傷した初のケースとみられる。

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 福島県沖を震源とする最大震度6強の地震で被災し、一部区間で運転を見合わせているJR常磐線は24日、全線で運転を再開する見通しとなった。JR東日本水戸支社が21日、発表した。

 復旧作業のため運休している富岡―新地駅間のうち、富岡-原ノ町駅間は22日始発から通常運転とする。原ノ町-新地駅間は作業が順調に進めば、24日に臨時ダイヤで運転を再開する見込み。列車の速度を落として運転する区間があるため、臨時ダイヤでは通常よりも運転本数を減らす。詳細は決まり次第、JR東のホームページで公表する。

 JR東によると、常磐線では電柱が傾いたり、線路が変形したりする被害があった。