

福島県は県内で過去最多となる958人の新型コロナウイルス感染を確認したと20日発表した。これまで最多だった4月14日発表分の731人を大幅に更新した。新規感染者数の急激な増加で県の確保病床の使用率は19日現在で40・5%(前日比6・1ポイント増)まで上昇し、3月2日以来、139日ぶりに40%を超えた。県はオミクロン株の新たな派生型「BA・5」の流行で感染状況がさらに悪化する恐れがあるとして初めて感染拡大警報を出した。対策の再点検と徹底を県民に呼びかけている。
新規感染者958人は19日までに感染が判明した。前週の水曜日発表分より451人多く、19日連続で前週の同じ曜日を上回った。958人の約75%に当たる714人は感染経路が分かっていない。
居住地別では、福島市が219人、いわき市が185人、郡山市が136人など。全59市町村のうち43市町村で感染が確認されるなど広範囲で感染が広がっている。
直近1週間の累計の新規感染者数は4054人。2週間前は843人、1週間前は2025人で急増している。県は感染力が強いとされる「BA・5」への置き換わりや連休による人の流れの活発化などが背景にあるとみている。
県感染症対策アドバイザーの金光敬二福島医大感染制御学講座教授は20日、福島民報社の取材に「全国の状況を踏まえると、本県でも(1日当たりの新規感染者が)2000~3000人となる可能性が十分にある」との見解を示した。
19日時点の入院者は303人で、入院者を含む全療養者は4998人。このうち重症は1人。
内堀雅雄知事は20日の県新型コロナ対策本部員会議で「夏休みが始まり、多くの人と接する機会が増える。危機感を持って感染対策に取り組んでもらいたい」と協力を呼びかけた。