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コロナ気遣い3度目の夏 福島県内の公立小中学校で終業式 対策徹底呼びかけ

2022/07/21 10:01

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リモート形式の終業式を終え、教員から新型コロナ感染対策など夏休みの注意を聞く6年生の児童=20日、いわき市・平五小
リモート形式の終業式を終え、教員から新型コロナ感染対策など夏休みの注意を聞く6年生の児童=20日、いわき市・平五小
丁寧に手指を洗う児童。夏休みは利用時間が長いため、小まめな手洗いや消毒を一層心がける=20日、郡山市・桃見台小児童クラブ
丁寧に手指を洗う児童。夏休みは利用時間が長いため、小まめな手洗いや消毒を一層心がける=20日、郡山市・桃見台小児童クラブ

 福島県内のほとんどの公立小中学校は20日、1学期の終業式を行い、夏休みに入った。新型コロナウイルス感染者が過去最多になる中、教員は子どもたちに夏休み中の家庭での感染防止を促した。一方、休み中に多くの子どもたちが利用する放課後児童クラブや遊技施設も対策の強化を進める。県民は3度目となるコロナ禍の夏休みの過ごし方に知恵を絞る。

 20日に発表された県内の感染者数958人のうち、10代以下が332人と3割以上を占めた。いわき市の平五小では、感染対策としてリモート形式で実施した終業式で、大石正文校長が「新型コロナや交通事故に気を付けて夏休みを過ごしてほしい」と呼びかけた。

 同校の児童数約570人は市内でも多く、密を避けるため体育館の使用は100人を上限に設定している。7月の感染拡大を受け、万が一の学級閉鎖に備えて夏休みの宿題を事前に配布しているクラスもあるという。6年2組の教室では大井川亜結美教諭が3年ぶりに市内各地で夏祭りが開催されることなどに触れながら夏休みの過ごし方の説明。早坂心結さん(11)は「水泳大会で市外に行く予定がある。しっかり感染対策して出かけたい」と話した。

 福島市の信陵中で行われた終業式には、全校生徒がマスクを着用し間隔を取って臨んだ。目黒満校長は「手洗いや手指消毒など基本的な感染対策を講じてほしい」と促した。

 生徒は教職員の目が行き届きにくい休み中生徒の健康管理に気を配る。感染拡大の要因として家庭内感染が挙げられることから、メールなどで各家庭にも注意を促す。担任が保護者に電話やメールで生徒の健康状態を確認するほか、普段から使用する検温観察表を休み中も定期的に続ける。高橋碧さん(3年)は「外出後の手洗いうがいや人混みを避けるなど自分でできることは徹底したい」と気を引き締めた。


■県立高45校で式

 県内のほとんどの公立小中学校の終業式は20日に行われた。県立高では同日、全日制、定時制を合わせた79校のうち、最も多い45校で式などを実施した。全ての公立小中学校が8月22日から25日までの間に2学期が始まる。


■学童ク「思い出づくりを」 試合中止検討「仕方ない」

 夏休み中、子どもたちの活動の場は家庭や児童クラブ、部活動などに移る。感染急拡大を受け、関係者は感染対策の充実に気を引き締める。

 福島市松川町のまつかわ学童クラブは地域の児童約30人が利用している。手指消毒や検温、換気などを実施するほか、食事をする際の座席の状況などを毎日記録している。主任放課後児童支援員の村松圭さん(52)は「普段の対策を徹底し、子どもたちの思い出づくりをしてあげたい」と思いを明かした。

 郡山市の桃見台小児童クラブは1~5年生の80人が利用している。夏休みは午前7時半から児童を預かるため、支援員を2人増やす。主任支援員の高木明子さん(53)は「小まめな手洗い、消毒や換気をより徹底し、子供の体調を管理したい」と気を引き締める。

 福島ホープスジュニアベースボールクラブには、福島市の児童ら26人が所属する。練習試合を計画していたが、感染急拡大を受け中止の検討を始めた。渡辺広和監督(58)は「本当は他クラブとの試合を通して成長してもらいたいが…」とため息をついた。

 プールや遊具があり、夏休み中は多くの子どもでにぎわう郡山市の郡山カルチャーパークは感染拡大を受け、消毒やマスク着用を徹底するという。指定管理者の市観光交流振興公社の浜津佳秀代表理事は「他の遊園地の情報を集め、対策につなげたい」と話した。