新型コロナ 福島県内の情報

7月のクラスター119件 福島県内、月別最多 加速度的に増加

2022/08/02 09:15

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 福島県は1日、県内で7月に発生した新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)は月別最多の119件に上ったと発表した。感染「第7波」に入った7月は上旬から下旬に掛けて加速度的にクラスターの発生件数が増えており、県は感染力が強いとされるオミクロン株の派生型「BA・5」への急速な置き換わりが要因とみている。内堀雅雄知事は1日の定例記者会見で「感染拡大の天井(ピーク)はまだ見えない」と危機感を示し、感染対策の徹底を訴えた。

 7月に発生したクラスター件数は、上旬(1~10日)が22件、中旬(11~20日)が46件、下旬(21~31日)が51件。1日当たりの感染者数の増加に比例するように、クラスターの発生も拡大が続いている。計119件は、月別で過去最多だった第6波の4月の111件を上回り、6月の38件の約3倍に上る。

 7月の内訳は、児童施設が最多の34件(29・6%)で、学校の16件(13・4%)と合わせた子ども関連は50件(43・0%)だった。高齢者施設が21件(17・6%)、事業所が10件(8・4%)などで続いた。4月は子ども関連が全体の63・9%を占めたが、7月は重症化リスクの高い高齢者施設の割合が4月の約5倍に拡大するなど、世代や環境を問わずクラスター発生が相次いでいる。

 クラスター発生に歯止めが掛からない状況について、県は「BA・5」の感染力の強さが影響しているとみている。「BA・5」はワクチンや感染で獲得した免疫をすり抜ける性質があるとされる。県内の新型コロナ感染者を対象にした県のゲノム解析で、7月4日から10日までに確認された「BA・5」系統の割合は約7%だった。直近の7月25日から31日までに行ったゲノム解析で「BA・5」系統は約71%に達し、急速に置き換わりが進んでいる。

 県は高齢者施設や医療機関に感染対策のマニュアルやチェックリストの確認徹底を促す。感染不安がある県民には積極的な無料検査の活用を呼びかけるなどし、県民一丸となった対策を求めている。