古民家の材料と建築技術、海外で活用へ 福島市の亀岡工務店 数年後の輸出開始目指す

2022/10/15 10:00

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亀岡工務店が古材を再利用してリノベーションした古民家=福島市
亀岡工務店が古材を再利用してリノベーションした古民家=福島市

 福島市の亀岡工務店は、日本の伝統的な工法で造られた古民家の材料と建築技術を輸出し、海外で活用する取り組みに乗り出す。古い木材の活用により解体、処分する際に排出される二酸化炭素を抑制する効果などに着目。環境問題に関心が高い欧州などで需要があるとみている。県内の空き家対策にもつなげる。海外でのパートナーを見つけ、数年後の輸出開始を目指す。

 中小企業庁の事業再構築補助金を活用する。解体した空き古民家の材料を輸出し、現地の施工業者と協力して日本庭園付きの住宅を建てる。庭園の設計には、会津若松市の観光大使を務めるガーデンデザイナーの安田ひと美さんが協力する。ターゲットは富裕層だ。フランスを足がかりに欧米、オーストラリアなどに年に2~3軒を輸出する予定だ。

 同社によると、福島県内には約5万3000軒の古民家があり、空き家になっているのはおよそ7500軒に上る。老朽化による倒壊、治安や景観の悪化など、空き家が地域に与える悪影響は大きい。古民家は郊外に立地しているケースが多く、大規模改修を行っても、アクセスの悪さから買い手がつかないのが課題だという。

 亀岡工務店は今月3日から6日にフランスで開催された建築の国際展示会に出展した。会期中約120組の建築関係者がブースを訪れるほどの反響があった。

 さらに輸出に向けて情報発信の場となる展示場を会津若松市に建設している。2023(令和5)年春ごろに完成を予定している。

 ただ、海外での古材の周知や現地の建築法でどう古材を利用した建物を建築するかなど課題が残る。それでも亀岡政雄社長(49)は「空き家問題解決の一助にするとともに、日本の高い技術を海外に発信したい」と意気込んでいる。