
会津若松市の県立博物館は30日、開催中の岡山藩主池田家伝来の品を集めた企画展「名君の大名文化-岡山池田家と会津 武、その華と志-」に合わせた刀剣鑑賞講座を開いた。刀工の藤安将平さん(75)=福島市=が日本刀の特徴や魅力を紹介した。
同博物館の三の丸からプロジェクトの一環。3回に分けて催し、合わせて約30人が参加した。
参加者は「刀 銘 会津刀匠和泉守兼定」(江戸時代)など同博物館に所蔵されている日本刀4振り、藤安さんが制作した日本刀4振りを鑑賞した。藤安さんが切っ先や刃文を見る際の留意点などを解説。「展示では見えにくい細部へのこだわりにも気付ける。実際に触れることで深い美しさと価値を再認識してほしい」と話した。
藤安さんは人間国宝故宮入昭平氏に入門し、1975(昭和50)年に福島市立子山に将平鍛刀場(まさひらたんとうじょう)を開設。日本刀を作りながら、その魅力を伝えるため県内で講演などを行っている。
鑑賞会に参加した会津若松市の30代女性は「これまで刀を見ることはあったが触れたのは初めて。貴重な経験ができた」と喜んだ。