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新型コロナ「第8波に入った」 福島県知事が認識 県内2166人感染確認 17日発表分

2022/11/17 21:28

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 福島県は県内で2166人の新型コロナウイルス感染が確認されたと17日、発表した。内堀雅雄知事は同日、県新型コロナ対策本部員会議で県内の感染状況が「(感染流行の)第8波に入った」との認識を初めて示した。県は抗原定性検査キット約339万回分を高齢者施設の従事者ら向けに配布し、重症化リスクのある県民の命を守る取り組みを強化する。

 県内では今週に入り、新規感染者数が連日2500人を超え、感染流行の第7波ピーク時の約3500人に迫る勢いで感染が拡大している。全国的にも増加傾向が顕著な現状を踏まえ、県は県内が新たな感染の流行に入ったと判断した。

 内堀知事は会議で「ちょっとした油断が家族や友人への感染につながり、医療従事者や重症化リスクのある高齢者らへの感染につながる恐れがある」と危機感を示した。マスク着用や手洗い、消毒、換気などの基本的な感染対策の徹底、濃厚接触者となった場合の自宅待機など2次感染を広げない取り組みを求めた。

 抗原定性検査キットは高齢者施設や障害者施設、小学校、幼稚園、医療機関などの従事者に1人当たり36回分(週3回分を12セット)を配布し、定期的に検査してもらうことで感染の早期発見と迅速な対応につなげる。施設の入所者にもキットを配る。配布先は約4千施設となる予定で、今月21日から12月下旬にかけて順次発送する。

 県内では医療従事者が感染者や濃厚接触者となり、出勤できなくなる事例が報告されている。県によると、今月1日から10日までに1日当たり平均100人が休養した。感染流行の第7波の始まりとされる6月の1日当たりの平均23人と比べ、4倍以上となった。

 県は医療提供体制への負荷が急速に高まり、救急搬送ができない事案が発生しているとし、救急車や救急外来の適正な利用を呼びかけている。県によると、今月7日から13日までに108件の救急搬送困難事案が発生した。感染が落ち着いていた前年同期の約2倍となった。医療機関が集まる郡山市でも患者を受け入れられずに他の地域に搬送したケースがあったという。

 インフルエンザとの同時流行などで、人流が活発となる年末年始にかけて状況がさらに悪化する恐れがある。内堀知事は「年内にオミクロン株対応ワクチンを接種してほしい」と希望者への早期接種を呼びかけた。