
福島県は新型コロナウイルスに感染し、県内の医療機関に入院していた7人の死亡と、2703人の感染を確認したと28日、発表した。12月の新規感染者数は6万8485人となり、これまでの月別最多だった第7波ピーク時の8月の6万6622人を上回った。県と県医師会、県病院協会は同日、県内の医療提供体制の負荷が年末年始にさらに高まる恐れがあるとし、県民に命と健康を守るための行動を呼びかける共同メッセージを発信した。
死亡したのは60代、70代、80代、90歳以上の男性各1人、80代の女性2人、90歳以上の女性1人。いずれも今月中旬に亡くなった。県内の死者は累計453人となった。
県が平常時に確保している病床766床への入院者数は27日現在、402人。病床使用率は52・5%(前日比2・6ポイント減)。入院者のうち重症者は1人。県は独自の県医療ひっ迫警報を発出し、救急外来や救急車の適正利用などを求めている。
共同メッセージには①基本的な感染対策の徹底②検査キットでのセルフチェック③速やかなワクチンの接種④救急車の適正利用―を盛り込んだ。内堀雅雄知事は28日、県医師会の佐藤武寿会長、県病院協会の佐藤勝彦会長らと県庁で会談し、「年末年始に新規陽性者数をどれだけ抑えられるかが勝負になる」と述べた。
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県が28日に発表した県内の新型コロナウイルス感染者2703人は前週の水曜日発表分と比べて353人少なかった。各保健所管内の内訳は郡山市が484人、いわき市が428人、県中が348人、福島市が301人、会津が233人、県北が159人、県南が151人、相双が115人、南会津が17人。陽性者登録センターは467人だった。
内堀雅雄知事は28日の新型コロナ対策本部員会議で「県民が安心して穏やかに新年を迎えるためにも、感染対策の徹底や、医療機関などの適正利用が重要だ」と述べた。県感染症対策アドバイザーの金光敬二福島医大感染制御学講座教授は「飲食時などにマスクを外す場合は相当な距離を取るか、換気を十分にすることが必要になる。寒い日が続くが、ぜひ窓を開けてほしい」と訴えた。
県内の感染者は累計33万7153人となった。