
福島県内の優れたベンチャー起業家をたたえる「ふくしまベンチャーアワード2022」の最終選考会は12日、福島市の民報ビルで開かれ、最優秀賞の知事賞にトレ食の沖村智社長(南相馬市)が選ばれた。沖村社長は廃棄される植物などから植物繊維「セルロース」を抽出し、プラスチックの原料として再利用する事業で、国連の持続可能な開発目標(SDGs)を実現させる計画を発表した。
ファイナリスト9人がビジネスプランを披露し、審査員が社会性や新規性を評価した。表彰式では内堀雅雄知事が「アワードをきっかけに新しいビジネスが生み出されると期待している」と述べ、沖村社長に賞状とトロフィー、賞金50万円を手渡した。沖村社長は「福島でSDGsのモデルをつくるとの約束を果たす」と誓った。
審査委員長を務めた西会津町の最高デジタル責任者(CDO)の藤井靖史さんが講評した。協賛企業による企業賞の表彰を行い、福島民報社の芳見弘一社長が沖村社長に福島民報社賞を贈った。東北経済産業局の油川一義産業技術革新課長が基調講演した。交流会も開かれた。
アワードは県の主催で10回目。過去最多の74件の応募があった。
沖村社長以外の受賞者は次の通り。
▽優秀賞=高橋彩水(川俣町、ラニット社長、オーダーメイドジャパン賞)長友海夢(猪苗代町、いなびし社長、野村証券福島支店賞)中野和典(郡山市、日大工学部教授、福島放送賞)
▽特別賞=渡辺優翔(富岡町、Ichido社長、福島民友新聞社賞)熊谷洋平(横浜市、tayo社長、エフコム賞)斎藤なつみ(福島市、Automobile store Anu代表、テレビユー福島賞)坪井敦(いわき市、珈琲焙煎所ぼうしオーナー、HRM総合事務所賞)根本昌明(本宮市、モクティ倶楽部代表理事、グロウイングクラウド賞)