
福島県郡山市の安積高2年生の5人は5日、高校生が5分間の観光PR動画の出来栄えを競う「観光甲子園2022」決勝大会に挑む。猪苗代町の豊かな自然に触れながら、国連の持続可能な開発目標(SDGs)を推進する取り組みが学べるプランを考えた。「特徴的な地域おこしや美しい自然を全国に伝えたい」と意欲を見せている。
メンバーは遠藤茉菜さん、草野日向子さん、加藤愛理さん、金子優海さん、佐藤柑菜さん。「SDGs修学旅行部門」で2泊3日の行程を提案した。重視したのは「発想の転換」による地域課題の解決策だ。
猪苗代湖の水質悪化の一因とされる水生植物「ヒシ」の実を、食品として利用する事業に着目。中心を担う町地域おこし協力隊の長友海夢さんの助言を得て、ヒシ収穫と、実を使ったお茶や炒め物の試食を目玉とした。
特定外来生物ウチダザリガニの駆除と試食、耕作放棄地の復活に向けた農作業を体験する他、アクアマリンいなわしろカワセミ水族館の見学と遊覧船「はくちょう丸」「かめ丸」の乗船で、猪苗代湖の生態系、歴史などを学んでもらう。
オンラインの決勝大会は旅行プランの魅力をPRする動画が審査対象。遠藤さんは「『厄介者』を再生利用する画期的な活動でSDGsに理解を深めてほしい」としている。
観光甲子園は一般社団法人「NEXT TOURISM」(神戸市)の主催。「SDGs修学旅行」部門には福島県など42都道府県の118校、457チームが応募した。予選の事業企画書審査で20チーム、準決勝のスライドショー審査で5チームに絞られた。