SDGs

福島の鶏ふんで肥料開発 JA全農福島と片倉コープアグリ 資源循環、農家の負担軽減へ

2023/10/11 09:05

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エコマスターをPRする(左から)高橋、渡部、狩野の各氏
エコマスターをPRする(左から)高橋、渡部、狩野の各氏

 JA全農福島は肥料メーカーの片倉コープアグリ(本社・東京都)と、福島県内の鶏ふん堆肥を原料とし、県内で生産した肥料「エコマスター」を開発した。11月から本格販売する予定で、県内JAで取り扱う。不安定な国際情勢などを背景とした肥料価格の高止まりを踏まえ、肥料の地産地消を進め、資源循環の推進、農家負担の軽減などにつなげる。

 肥料は水稲用2種類、園芸用1種類の計3種類。片倉コープアグリによると、鶏ふん堆肥を使った水稲用肥料は全国的にも珍しい。

 全農福島が養鶏農家から鶏ふんを購入し、片倉コープアグリに供給。同社が田村市に構える工場で肥料製造を進める。販売価格は同じ成分の化成肥料より1割程度安くなるという。2024(令和6)年産の作付け用として500トンの販売を目標に掲げる。

 全農福島の渡部俊男本部長、片倉コープアグリの狩野睦東北支店長が10日、福島市のJA福島ビルで記者会見し、発表した。渡部本部長は環境負荷低減に向けた国の「みどりの食料システム戦略」、国連の持続可能な開発目標(SDGs)につながると強調し、同様の取り組みを拡大していく考えを示した。全農福島の高橋智浩肥料農薬部長らが同席した。