
福島県のいわき市出身の吉田チエミさん(32)は古殿町の交流スペース「SOMETTOKORO(ソメットコロ)」を運営し、農業廃棄物の植物を使った草木染の製作や販売を通して町の魅力を発信している。
2021(令和3)年7月から2025年3月まで、古殿町地域おこし協力隊を務め、町の体験プログラム「フルドノタイム」に臨んだ。ブドウ栽培を体験した際、摘果された成長前のブドウをもらい、趣味だった草木染に用いた。鮮やかな色の作品になり、町内のブドウ農家の存在が周知されるきっかけになった。
古殿町の自然の恵みや人々の営みを知ってもらう機会だと捉え、地域おこし協力隊を退任後も町で草木染の活動をしようと考えた。
現在は「ソメットコロ」で町内外の人を集めて染め物をするイベントを開いたり、県内各地のマルシェに出店して作品を販売したりしている。「染め物を通して、色を生み出す町民の存在を知ってほしい」と語った。